2026/01/15
電動スコップが最も威力を発揮する作業のひとつが、根起こしだ。深く張った根、四方に広がった根——人力では途方もない重労働になる作業を、電動スコップは楽にしてくれる。
だが、電動スコップだけで根起こしを完結させようとすると、意外と苦労する。根は頑固だ。電動スコップの限界を知り、人力との併用を考えたほうが、結果的に効率がいい。
電動スコップの仕事は「掘る」まで
ここで、電動スコップの役割を思い出してほしい。
電動スコップが担うのは、「土に差し込んで掘る」ところまでだ。電動ハンマーの打撃力で土を崩し、スコップを食い込ませる。ここは機械がやってくれる。
だが、根を引き抜くのは別の作業だ。電動スコップには、根を持ち上げて引き抜く機能はない。
根は頑固だ
根起こしが難しいのは、根が土中で複雑に広がっているからだ。
主根は太く深く伸びている。ひげ根は四方に張り巡らされている。それらが土としっかり絡み合い、簡単には抜けない。
電動スコップで根の周囲を掘っても、根自体は土の中に残っている。そのまま電動スコップで持ち上げようとすると、こうなる。
- 重くて持ち上がらない:根鉢ごと持ち上げようとすると、土と根の塊は想像以上に重い。
- 根が切れずに粘る:太い根は打撃では切れないことがある。引っ張っても抜けず、スコップが動かなくなる。
- 電動スコップを構え続けて疲れる:重い工具を持ったまま格闘することになり、腕と腰に負担がかかる。
役割分担という発想
根起こしを効率よく進めるには、工程ごとに道具を使い分けるのがいい。
電動スコップの役割
- 根の周囲の土を崩す
- 根を露出させる
- 土と根の絡みをほぐす
人力スコップ・その他の役割
- 露出した根をテコの原理で持ち上げる
- 細かい根を切る(剪定バサミ、ノコギリなど)
- 根鉢を引きずり出す
電動スコップで「露出させる」まで。引き抜きは人力やテコで。この分業が、根起こしを最も効率よく進める方法だ。
具体的な手順
実際の作業は、こんな流れになる。
- 電動スコップで根の周囲を掘る:根の広がりを想定して、少し広めに掘り進める。
- 根を露出させる:土をほぐしながら、根がどこまで伸びているか確認する。
- 太い根を切る:剪定バサミやノコギリで、引き抜きの邪魔になる太い根を切断する。
- 人力スコップでテコを使う:根の下にスコップを差し込み、テコの原理で持ち上げる。
- 引きずり出す:浮いた根鉢を手で引っ張り出す。
電動スコップの出番は、主に1と2の工程だ。3以降は人力と手道具に任せたほうがスムーズに進む。
結論
電動スコップは根起こしに威力を発揮する。だが、それは「根の周囲を掘って露出させる」工程においてだ。
根を引き抜く工程まで電動スコップだけで完結させようとすると、かえって効率が落ちる。根は頑固だ。電動スコップで土をほぐし、人力やテコで引き抜く——この併用が、根起こしを効率よく進めるコツだ。
電動スコップは万能ではない。だからこそ、人力との組み合わせで真価を発揮する。