電動スコップと根っこ。

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振動3軸合成値から考える、電動スコップ選びのバランス

time 2026/01/17

振動3軸合成値から考える、電動スコップ選びのバランス

電動スコップのカタログには、様々な数値が並んでいる。打撃力、打撃数、重量。このあたりは多くの人がチェックするだろう。

だが、「振動3軸合成値」という項目を気にしたことはあるだろうか。

この数値、実は電動スコップ選びにおいて見逃せない指標だ。

振動3軸合成値とは

振動3軸合成値とは、電動工具の振動の大きさを、前後・左右・上下の3方向で測定し、合成した数値だ。単位はm/s²。

数値が大きいほど振動が強い。長時間使用すると、手や腕への負担が増す。労働安全衛生の観点から、振動工具の使用時間管理にも用いられる指標だ。

パワーと振動は比例する

ここで重要な事実がある。

振動3軸合成値が大きい機器ほど、掘る能力も高い傾向がある。

考えてみれば当然だ。打撃力が強ければ、土に食い込む力も強い。だが、その反動として振動も大きくなる。パワーと振動は、ほぼ比例関係にある。

つまり、こういうことだ。

  • パワーを求めれば:振動が増え、体への負担が大きくなる
  • 振動を抑えれば:パワーが下がり、作業効率が落ちる

これはトレードオフだ。どちらかを取れば、どちらかを犠牲にする。

他の選択とも通じる話

このトレードオフは、電動スコップ選びの様々な場面で出てくる。

SDSプラスとSDSマックスの選択もそうだ。SDSマックス規格の電動ハンマーはパワフルだが、重くて振動も大きい。SDSプラス規格は軽くて振動が小さいが、パワーは劣る。

打撃力と打撃数のバランスもそうだ。打撃力が強ければ一発ごとの衝撃が大きく、打撃数が多ければ細かい振動が蓄積する。どちらも体への負担につながる。

振動3軸合成値は、これらすべてを「振動」という観点で数値化したものと言える。

バランスをどこで取るか

では、どの程度の振動3軸合成値を許容すべきか。

答えは「人と作業による」としか言いようがない。

  • 体力に自信がある人:多少振動が大きくても、パワー重視で選べる
  • 長時間作業する人:振動を抑えた機種のほうが、疲労が蓄積しにくい
  • 硬い土や根を相手にする人:パワーがないと作業が進まないので、振動はある程度許容する
  • 柔らかい土が中心の人:そこまでパワーは要らないので、振動の小さい機種で十分

自分の体力、作業時間、土の条件——これらを考えて、バランスの取れた機種を選ぶことが大切だ。

カタログで確認する習慣を

振動3軸合成値は、カタログに記載されていることが多い。だが、目立つ場所には書かれていないことも多い。

打撃力や打撃数と並んで、この数値もチェックする習慣をつけておきたい。特に、複数の機種を比較するときには、振動3軸合成値を見比べることで「体への負担」の目安がわかる。

数値が大きいから悪い、小さいから良い、という単純な話ではない。パワーとのバランスで判断することが重要だ。

結論

振動3軸合成値は、電動スコップの「体への負担」を示す指標だ。

パワーと振動は比例する。掘る能力が高い機種ほど、振動も大きい。このトレードオフをどこで折り合いをつけるかが、電動スコップ選びの本質だ。

カタログで見落としがちな数値だが、長く快適に使うためには、この数値を意識しておく価値がある。自分の体力・作業時間・土の条件に合わせて、バランスの取れた選択をしてほしい。

 

著者情報

レンタルのローム 西山

レンタルのローム 西山

コンテンツ責任者

自宅の畑で使い始めたことが、電動スコップに詳しくなったきっかけでした。このサイトでは、電動スコップの基礎基本からマニアックな内容までお伝えしています。