2026/01/15
電動スコップのカタログを見ていると、「定回転制御」という機能に出会うことがある。マキタやボッシュの上位機種に搭載されていることが多い。
この機能、本当に必要なのか。なくても使えるのではないか。
結論から言えば、定回転制御がない機器は「使えない」わけではない。だが、「使いにくい」場面が確実に増える。
定回転制御とは何か
定回転制御とは、負荷がかかっても回転数や打撃数を一定に保つ電子制御機能だ。
硬い土に当たると、機械には大きな負荷がかかる。定回転制御がない機器は、この負荷に負けてパワーダウンする。打撃が弱くなり、土に食い込まなくなる。
定回転制御がある機器は、負荷が増しても出力を維持する。硬い土に当たっても、同じ調子で掘り進められる。
定回転制御がないと、機械に合わせた使い方を強いられる
ここが重要なポイントだ。
定回転制御がない機器を使うとき、使用者は無意識のうちに「機械のご機嫌」を伺うことになる。
- 深く差し込みすぎない
- 硬い部分は避ける
- 負荷を感じたら手加減する
- パワーダウンしたら一度抜いて、位置を変える
これらはすべて、機械に合わせた使い方だ。使用者が機械の限界を察知して、作業を調整している。
一方、定回転制御がある機器なら、使用者は作業に集中できる。硬い土に当たっても、そのまま押し込めばいい。機械が負荷を処理してくれる。
機械が人に合わせるか、人が機械に合わせるか——この差は、作業時間が長くなるほど効いてくる。
なぜ上位機種に搭載されるのか
定回転制御は、安価な機種には搭載されていないことが多い。マキタやボッシュでも、上位機種にのみ搭載される機能だ。
なぜか。
現場の声があったからだ。
- 「硬い土に当たったら止まった」
- 「粘土質で使い物にならなかった」
- 「根に当たるたびにパワーダウンして、作業が進まない」
こうしたクレームを解決するために、定回転制御は生まれた。つまり、この機能は「本当に使える」ための進化なのだ。
上位機種が高い理由は、こういうところにある。カタログスペックには表れにくいが、実際の作業では大きな差になる。
定回転制御がない機器は「使えない」のか?
使えないわけではない。
柔らかい土、均一な土質、短時間の作業——こうした条件なら、定回転制御がなくても問題なく使える。
だが、畑の土は均一ではない。柔らかい土の隣に硬い土があり、石が混じり、根が絡む。条件が変わるたびに機械がパワーダウンしていたら、作業は進まない。
定回転制御がない機器は、条件を選ぶ。定回転制御がある機器は、条件を選ばない。
結論
定回転制御は、電動スコップを「本当に使える道具」にするための機能だ。
この機能がないと、使用者は機械に合わせた使い方を強いられる。硬い土を避け、負荷を感じたら手加減し、パワーダウンしたらやり直す。作業に集中できない。
上位機種に搭載される理由は、現場で「これがないと使いにくい」という声があったからだ。価格差には、それなりの理由がある。
電動スコップを選ぶとき、定回転制御の有無は確認しておきたいポイントだ。特に、粘土質や根の多い土を相手にするなら、この機能があるかないかで作業効率は大きく変わる。