2026/01/15
電動スコップを選ぶとき、SDSプラスとSDSマックスという2つのシャンク規格に出会う。SDSマックスのほうが打撃力を伝える能力が高い。ならば、SDSマックスを選んでおけば間違いないのか?
そう単純な話ではない、というのが今回の結論だ。
シャンク規格とは何か
SDSプラスとSDSマックスは、電動ハンマーと先端工具(スコップなど)を接続するためのシャンク規格だ。電動ハンマーが生み出す強力な打撃力・回転力を、ロスなく先端に伝える役割を担っている。
両者の違いはシャンクの太さにある。SDSプラスは径10mm、SDSマックスは径18mm。太いほうがより大きな力を伝達できる。そのため、SDSマックス規格を採用する電動ハンマーは必然的に大型・高出力になり、本体重量も増す。
パワーがあれば効率がいい、とは限らない
SDSマックス規格なら、大きな打撃力を先端に伝えられる。硬い土にも食い込むし、太い根も断ち切れる。スペックだけ見れば、SDSプラスより「上」に見える。
だが、電動スコップの作業には独特の性質がある。一瞬の破壊力で勝負が決まるわけではない。土を掘る作業は、工具を構え続ける時間が長い。突き刺して、持ち上げて、また突き刺す。この繰り返しを何十分、場合によっては何時間も続けることになる。
ここで効いてくるのが、工具の重量と振動だ。
重さと振動は、じわじわ効いてくる
SDSマックス規格を採用した電動ハンマーは、打撃力が大きい分だけ本体も重く、振動も大きい。最初の10分は快調に掘れても、30分を過ぎたあたりから腕が重くなってくる。1時間も経てば、休憩なしでは続けられない。
一方、SDSプラス規格なら電動ハンマー自体が軽い。一回の打撃で掘れる量は少なくても、疲れにくいから作業を続けられる。休憩の回数が減れば、トータルの作業時間はむしろ短くなることもある。
つまり、こういうことだ。
- SDSマックス:短時間で一気に片付けたい重作業向き。ただし長時間は厳しい。
- SDSプラス:一回あたりの作業量は小さいが、安定して長く続けられる。
「使い続けられるか」で考える
電動スコップの実用性を測るなら、「人が使い続けられるか」という視点が欠かせない。どれだけパワーがあっても、疲れて手が止まれば効率は落ちる。
家庭菜園や庭仕事のように、一人でコツコツ作業する場面では、SDSプラスのほうが結果的に効率がいいことは多い。SDSマックスの出番は、硬い土や太い根など「SDSプラスでは歯が立たない」条件に限られてくる。
まとめ
SDSマックスは、SDSプラスの上位互換ではない。伝達できる力が大きい代わりに、それを支える電動ハンマーの重さと振動という代償がある。どちらが優れているかではなく、作業の内容と時間によって適性が分かれる。
自分の作業がどんな性質なのか。それを見極めることが、電動スコップ選びの第一歩だ。